【レビュー・感想】ZOC「family name」-完璧な自己紹介。大森靖子天才すぎでは?
ZOC「family name」2019/04/30
- family name
- チュープリ
- family name[instrument]
- チュープリ[instrument]
今までこのブログではZOCの悪いイメージを与えるような内容ばかり書いてたけど、
曲はめっちゃ良いし、メンバーもみんな個性的で可愛いんですよ。マジで。
曲聞けば分かると思うけど、「そりゃ売れるわな」って瞬時に納得できるくらいの名曲揃いなんです。
さすが大森靖子。
今の時代の女の子達が求めているものに理解がありすぎている。
なんか悪いイメージばかりが先行してるから、もっとポジティブなこと書きます。
今回はZOCの記念すべき1枚目のシングル「family name」について。
family name
名曲・オブ・名曲。
これはもうアイドル界の歴史に名を刻んだド名曲です。
藍染カレンさんの凛とした歌声で「わけわかんないことでママが怒ってる」、
MVは暗い部屋でスマホの明かりとタバコの火と女の子・香椎かてぃさん(もう脱退したけど)から始まり、
「こんなのおかしいね なんで産んだの」と続く。
これは家庭環境でロクな目に合ってこなかった人なら一度は思ったことあるであろう感情。
冒頭20秒だけで世界観にグッと惹き込まれる。
family name 同じ呪いで
だからって光を諦めないよ
family name 御構い無しだ
治安悪いまま バグらせてこ
クッソ生きてやる
↑これにも書いたけど、
浮遊感のある美しいBメロ、ド直球のサビ。
ZOCとはどういうアイドルグループなのか、アイドルとしてこれからどんな未来を見せ多くの人達を救っていってくれるのかを正確に示している曲。
完璧だ…
デビュー曲として完璧すぎる…
ただひとつ難点なのは、アイドルのデビュー曲にしてはどう考えても音域広すぎってところですね。
元々歌唱力ある人材を集めたわけでもないのに、この音域はちょっと広すぎん?
おそらくアイドルのデビュー曲ならば、普通はもっと狭く作る(1オクターブ以内におさめる)と思う。
歌下手で音域狭い私は、この曲をカラオケ歌うのが本当にキツい。
こんな高い声出ないよ!!(笑)
チュープリ
「ねぇ〜 チューして♡」という兎凪さやかさん(もう脱退したけど)の甘い台詞から始まる、中毒的にキャッチーなアイドルポップ。
音がひとつひとつ可愛くピコピコサウンドで、もうとにかく可愛い。TikTokのフィルターのように可愛い。
チュープリ 撮りたいな
ネットで炎上しちゃうかな
有名になったとき
彼氏がいたら ヤバイかな
きれいに生きてなきゃ
応援してもらえないのかな
黒歴史上等な私じゃちょっと
ヤバイかな
「ネットで炎上」「黒歴史上等」など、大森靖子さんの歌詞じゃないと絶対に出てこないような、アイドルらしくないドキッとするワード。
あ ああ あいどんきるゆー
あ ああ アイドルになって
君のこと好きになりすぎたのは
私のほうなの 会いに来て 会いたい
あ ああ あいどんきるゆー
あ ああ アイコン変えよー
どんな私がキャッチーよ んでもっと
その先の微々たる乙女をみてね
愛してる
チュープリンセス chu!
「family name」はアイドルとして、音楽としての真髄を魅せた曲だとすれば
「チュープリ」は彼女達のアイドルとして、一人の女の子としての日常が垣間見える曲。
可愛すぎて、オタクを殺しにかかってるとしか思えない。
あと個人的に、こんなピコピコ可愛い曲でもしなやかで凛とした歌声の藍染カレンさんに毎回キュンときます。
まとめ
このシングル1枚で「ZOCとはどういうアイドルグループなのか」という完璧すぎる自己紹介が詰まっています。
最近の若者は分かりにくいものよりも、分かりやすいものを提供した方がウケがいいと思ってるんですけど(エヴァの庵野秀明監督も「謎に包まれているものを、人は面白いと感じなくなってきている」って言ってたし)
このCD1枚は本当に分かりやすい。
そもそもZOCはほとんどがミスiD出身者で構成されたアイドルグループで、
少年院出身や元ホームレスヤンキー、元引きこもりなど、他のアイドルとは少し違ったタイプの女の子達が集まっている。
こんなクセの強い彼女達にどんな曲を歌わせたら、多くの人達に彼女達の魅力が伝わるのかを本当に理解しきっていて
「大森靖子、天才すぎでは???」ってなります。