【レビュー・感想】ZOC「SHINEMAGIC/ヒアルロンリーガール」-ラストのラップはダサいが鋭利に突き刺さる歌詞
ZOC「SHINEMAGIC/ヒアルロンリーガール」2020/07/14
- SHINEMAGIC
- ヒアルロンリーガール
- SHINEMAGIC[instrument]
- ヒアルロンリーガール[instrument]
ZOC3枚目のシングルで、この2曲から元ハロプロの巫まろ(福田花音)さんが加入。
そのおかげで、全体的に歌唱力(特に高音)が一気に爆上がりした印象です。
SHINEMAGIC
1枚目は王道ポップス、2枚目はチャイナ風、そして3枚目はかっこいいEDM!!!
初めて聴いた時から心奪われた。
SHINEMAGIC
私が童貞の夢
SHINEMAGIC
私がヤンキーのLOVER
SHINEMAGIC
私が幻KILLER
SHINEMAGIC THE GIRL
SHINEMAGIC THE GIRL
「童貞の夢」「輝くほど 死ねと言われる」「世間的負けでも こっちは天使ですし」と、相変わらずの大森靖子らしさ全開のキラーワードの連発。
「シネマジック」というタイトルは、もともとSM専門の大人向け映像作品メーカーから思いついたらしいです。
(※結構ハードなもの多めなので子どもは検索しないでね!絶対にするなよ!)
ただ、「シネマジック」は「シネマとマジック」「死ねマジック」「死ねマジ」などいろんな捉え方ができるし
SHINEMAGIC
世間的負けでも
SHINEMAGIC
こっちは天使ですし
SHINEMAGIC
魔法意味ないほど
SHINEMAGIC THE GIRL
イッちゃってんだな
二番の歌詞からして「SHINE=シャイン=光る、輝く」とも考えられる。
つまりこの「SHINEMAGIC」というタイトルは、たくさんの意味を含んだワード。
輝いたり死ねと言われたり、少女だったり大人だったり、映画の非現実な世界だったり、映画を観た後現実世界に引き戻された街の風景や日常だったり。
血生臭いけど、まさに人間の生活って感じ。
そしてラストは、「これからは私達の時代!ついてきなよ!お前ら幸せにしてやんよ!」的なラップ(?)で終わる。(これはラップと呼ぶのか?)
今までこんだけバッキバキにカッコいいEDM調と加工されたクールなボーカルだったのに、ラストで突然キレがなくなったので、ぶっちゃけすんげーダサいと感じてしまう。
ラップをするんだったら、あの状態を保ったままもっとバッキバキに鋭利に歌って欲しかった。
ただ、曲自体は最高。
曲も歌詞もクールなのに情熱があってすべてがカッコよすぎる。
ZOCの曲の中で一番聴いてるのがこの「SHINEMAGIC」です。
ヒアルロンリーガール
1曲目がクール系だったけど、2曲目はロリータ可愛い系。
真逆なのにちゃんとZOCらしい。
AメロBメロは変拍子で、キャッチーでキュートなサビでドカンとキメる。
そして「イッテッ…わざとだもん!」みたいなドキッとする台詞。
MVも可愛すぎて昇天しそうなくらいの出来。
君が治療費くれはしないから
ヒアルロンリーロンリーガール
計算どおり
痛いだけよ
鬱なんかなってあげない
キライキラキラ気になってきても
ヒアルロンリーロンリーガール
おかげさまで
今日もかわいい
死にたい言わない主義のロンリーガール
可愛い服着て可愛く歌ってるけど、現実の残酷なところも突いてくるのはやはり大森靖子さんだなぁ、と。
夢の国なのに 目が覚めてくのよ
スニーカー履いて
歩く速度合わさなきゃ
自立じゃないとか舐めてんの?
↑ここらへんの歌詞とか、「絶対彼女」の「ミッキーマウスは笑っているけど これは夢」「ディズニーランドに行ったって 幸せなんてただの非日常よ」に通ずるところがある気がする。
リアルの残酷さにはとっくに気づいていてそれに傷つきながらも、それさえも武器にして可愛く生きる女の子って感じが、最高に女の子していて最高です。
まとめ
「2枚目までは最高だったけど、3枚目はさすがに失速するかな?」なんて思ってた自分が恥ずかしいくらいの素晴らしさ。
そりゃあTikTokでも大人気になるわけですよ。
ただ2曲ともやはりどう考えても音域広すぎですよね。
「ヒアルロンリーガール」なんて、ただでさえ上下激しい歌いにくいサビなのに、まるでトドメを刺すようにラスサビで転調するとか、どう考えても鬼。
一般人がカラオケで歌うにはしんどすぎる(笑)
歌いやすさよりも、“どれだけキャッチーなメロディと歌詞で表現できるか”を重視して作ってるんでしょうね。
それにしても、このシングルの後はメンバー2人も辞めるんですよね。
今となってはプロデューサーと超最速で脱退した葵時フィンさんを除くと、初期メンバーが5人中3人も脱退しているっていうのはやっぱり寂しい。