【歌詞考察】ひぐらし業ED-彩音「神様のシンドローム」
神様のシンドローム (TVアニメ「ひぐらしのなく頃に 業」EDテーマ)
アニメ「ひぐらしのなく頃に業」の最初のエンディングテーマ。(1話〜17話)
彩音さんといえばCSゲーム版「ひぐらしのなく頃に」シリーズの曲でよく名前を見かけました。
ひぐらし好きな人間からすると、志倉千代丸さん×彩音さんはかなり馴染み深いタッグです。
1番
Aメロ
優しい風 なびく髪
止まらない時間 未来片道のチケット
落胆も幻滅も 怒りも疲弊も
示し合わせの理性
割と初っ端から意味深な歌詞な気がするけど、沙都子→梨花かなと思います。
なびく髪→梨花の髪の毛
止まらない時間 未来片道のチケット→自分の梨花と一緒にいたいという願いのためだけに何度もループし、惨劇を引き起こしてきた沙都子。
もうここまで来ると戻ることはできない、許されない。
ここまでできるのは、梨花のルチーアでの態度に落胆・幻滅し、怒り疲弊してきたから。
示し合わせの理性→今作のひぐらしの惨劇は、沙都子の陰謀によるもの。
Bメロ
神様のシンドローム 愛と命を繋ぐ糸
大いなる理想なんて そんな大袈裟じゃなくて
信じたいよ キミの事 だからこそ 迷わないんだ────
ここでタイトルでもある「神様のシンドローム」。
シンドロームとは症候群のこと。
ということは、雛見沢症候群のこと?
でもその後に続くのが、「愛と命を繋ぐ糸」という似合わなさすぎるフレーズ。
シンドロームに話を戻すと、シンドロームの原義は「同時進行」。
神様の同時進行とは、梨花と沙都子のこと?
神様の力を使ってループしている梨花と沙都子。
梨花がループして必死に惨劇回避のために動いてると同時に、沙都子も惨劇を起こすために裏で必死に動いている。
糸→ループのこと?
梨花は「愛する仲間」と平和に暮らすために、沙都子は「愛する梨花」のために、何度命を落としてもループして何度だってやり直す。
これは、そんな大それた願いではない。ただ自分の愛する人(たち)と一緒にいたい というだけ。些細な願い。
だからこそ、梨花は沙都子を信じたいし、沙都子は梨花を信じていたい。
そういえばOPの歌詞も「キミ」とカタカナでしたね。
もし「同時進行」の意味も含めて「神様のシンドローム」というタイトルにしたんだったら、めちゃくちゃネタバレだったんか…
もっと早く気づくべきだった〜!!
おそらく「神様のシンドローム」は「雛見沢症候群」と「梨花と沙都子のループ同時進行」のダブルミーニング。
サビ
かけがえのない あの日の言葉が サイレント
まるで全てが 不気味に憐れむような
わずかに震える 無力への絶望
これは、梨花の心情ともとれるし沙都子の心情ともとれます。
梨花目線
仲間たちとの楽しい日々、かけがえのないものも、何度もループして惨劇を迎えると次第に擦り切れていって疲弊していく=サイレント(無音)になっていく。
わずかに震える 無力への絶望→梨花はまだ小さい子どもだからいくら惨劇回避するために動いても限度がある。大人よりも融通がきかないから無力であるのことを嘆くしかない。
これもあるだろうけど、大人だろうと無理ゲーです(笑)特に今回の雛見沢は。
だって沙都子が意図的に起こしてるんだから。
沙都子目線
ループ2周目の「沙都子をひとりにはしないのです」という梨花の発言は結局裏切られる=サイレント(無音)になった。
再びルチーアで沙都子のことなど忘れ サロンでお茶会を楽しんでいる梨花に対してどうすることもできない絶望。
ルチーアの話は本当に「それはねぇだろ梨花ちゃん…」ってなったなぁ。
高校受験という人生において重要な選択で、親友を説得してつき合わせたんだったら、せめてもうちょっと気にかけてやってもいいやろ…
もしかしたらこれにもまだ明かされていない理由があるのかもしれんが。
2番
Aメロ
わらう空 なみだ空
この星はまるで 気まぐれな意識体で
鳴り止まぬ この痛み
意識の継続 命結ぶ証明
「わらう」「なみだ」がひらがなであったり、「意識体」という普段聞きなれない単語だったり、気になるところがいっぱいあります。
ひらがな なのは幼さの強調=再びループ地獄に陥り、幼い自分から抜け出すことができない梨花の苦しみ。
「意識体」は、ググったらスピリチュアル的な何かと関連あるっぽいけどよく分からない…
そしてまた「意識」という単語が出てくるのも気になる。
ループする者は、時間がそのまま巻き戻るというわけではなく、意識をそのまま別の世界線にもっていっているから?
これらはが表しているのは、意識の根底にある 梨花の心の叫びだと思います。
Bメロ
神様のシンドローム 愛と命を繋ぐ糸
不都合や疑心さえ 正しい道へ誘えば
嘘じゃないよ キミの為 答えはもう 知ってるんだ────
なんとなく沙都子目線な感じ。
梨花を正しい道へ誘えば、つまり梨花に雛見沢サイコー!と思わせられればルチーアに行かずに済むしすべて解決する。
そう、すべては梨花のため…
サビ
偽りのない あの日の涙はシャイニー
どんな祈りも どんな叫び声さえも
無邪気な素振りに 飲み込まれ始める
2番サビも、梨花とも沙都子ともとれる。
梨花目線
平和な雛見沢に戻りたい、この悲しみはホンモノ。
どんなに戻りたいと祈っても叫んでも、沙都子の無邪気な願いによる犯行にひたすら振り回されてしまう。
沙都子目線
沙都子の、梨花を想っている気持ちはホンモノ。
どんなに梨花と一緒にいたいと祈っても叫んでも、結局ルチーアでは沙都子のことを見てくれなくなる。(梨花はきっと悪気はないし、沙都子がこんなに苦しんでることも気づいていない。)
ラスサビ
目に見えない 後ろの正面だぁれ?
僕らの糸は いつか貴方へと繋がる
ここでまさかの旧アニメOP歌詞のオマージュ!!
振り向いた その後ろの
(正面だぁれ?)
旧アニメからひぐらしを知っている人へのファンサービスかな?
これは思わずニヤリとしてしまう。
そして気になるのは、Bメロでも出てきた「糸」 。
「糸」→ループのこと?
この曲は二人称「キミ」が出てきましたが、ここで新たな二人称「貴方」が出てきました。
普通、一人称や二人称は統一するのが一般的。でもここであえて「貴方」を使っている。
貴方って誰だ…
梨花→沙都子、沙都子→梨花だとしてもわざわざ「貴方」にする意味がない。
だからこれも誰にでも当てはまるんじゃないかと思います。
圭一、レナ、魅音、詩音、悟史。入江や鷹野、富竹や大石などの大人たち。
もはや、雛見沢村そのものにも当てはまる。
梨花にとっても沙都子にとっても、ループによって いつか平和で幸せな「貴方」に繋がることを信じて。