「Free!」FS前編ネタバレ感想 - 生まれて初めて七瀬遙に共感した
劇場版 Free!-the Final Stroke- 前編の感想です。
今回は完全新作。
今までの「Free!」映画は再構築(総集編)が多かったせいか、全カット新規映像ということに「新しい物語だーー!!」と初っ端から興奮しっぱなしでした。
作画に関しては、さすが京アニクオリティ。
「聲の形」や「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の時も思ったけど、水の描写はアニメ業界の中でも京アニは断トツ。
「Free!」は1期の時から作画は綺麗だったけど、今回一気観してシリーズが進むにつれて作画が進化していき(特に3期は「これ本当にTVアニメのクオリティか?」ってレベル)、瞬きするのが惜しいくらい美しかった。
もちろん今回も最高に美しい映像でした。
美しすぎて何度も巻き戻して観た。
プールで泳ぐ遙を真琴が「ハルちゃん」って手を引っ張るの、毎シリーズやってるけどこれ見ると「あぁ…オレ達のFree!だ!」って感じる。
実家に帰ったようなあの安心感と懐かしい気持ち。
- 合同学祭
- シドニー大会予選
- フリー100m準決勝・決勝
- みんなの将来
- 忘年会・実家帰省
- 日和と金城
- 七瀬遙の葛藤、そしてハルベルトへ
- 十で神童、十五で天才、二十歳過ぎればただの人
- 他に気になったところ
- まとめ感想
合同学祭
学祭、みんなでわちゃわちゃしてて和む。
凛と郁弥仲良さそう(?)なのが嬉しい。
ずっとこんな平和な日々が続けばいいのに。
郁弥はクレープを作ろうとしたのか、ミルフィーユケーキを作ろうとしたけど挫折して結局クレープにしたのか、どっちなんだ?
旭、郁弥、貴澄の店員姿、男子大学生がする格好じゃないのになんでそんな似合ってるんだよ!
凛のメイド姿、郁弥の可愛い格好見てみたいけど、見せてくれない。そこは妄想するしかないんですね(残念)
シドニー大会予選
ついに遙、凛、郁弥が世界の舞台に立つ…!!と感極まったけど、特に凛が「親父…」って言ったあたりは江ちゃんと同じタイミングで目がウルっときた。
結果、遙は予選通過。凛と郁弥は予選落ち。
遙は凛に何か話したそうだったけど、話せなかったね…(何が言いたかったんだろう。)
ミハイル「たくさんの荷物が人生を豊かにするんだよ。ま、その荷物に時として縛られるんだけどね」
このセリフめちゃくちゃ好き。
笹部コーチといい、天ちゃん先生といい、Free!界の大人達は本当に若者達を温かい目で見守ってくれてるんだなぁって思う。
フリー100m準決勝・決勝
アルベルトにスルーされる金城可哀想(笑)
「今日は前みたいに泳ぎを楽しまない…」「与えられた仕事をこなすだけだ…」と、アルベルトさんもかなり病んでる。
アルベルトのパトロン?っぽい老人は一体何なんだwww 鑑賞用プール?水槽?みたいなの趣味悪すぎん?こんなの全然自由に泳げないよ!!
いかにも金持ちの道楽っぽくて笑ってしまった。ネルフみたいなのも面白かった(笑)
大会中、アルベルトが泳いでいるのを下から見て、沈んでいく中学時代の学ラン遙というイメージ映像。
圧倒的なアルベルトの泳ぎを目の当たりにし、遙のあの頃の純粋な気持ち、水の中でワクワクする気持ちが消えていく…みたいなこと?
結局、アルベルトがぶっちぎりで勝利。
遙と金城はアルベルトに負けだけど一応決勝進出。
この時のハァハァ言ってる遙がガチでしんどそうで「ハルのこんな声初めて聞いた」って思った。
階段フラフラ危ないよ!!郁弥いなかったら怪我してたって!!!
この後東コーチに必死な声で「どうやったら勝てる 甘いと勝てないんだろ」と迫り頭冷やせと怒鳴られる遙。
このあたりから遙が遙らしくなくなっていく…
決勝、アルベルトはまさかの出場せず帰国。
遙も様子がおかしくて心配だし、アルベルトさんも心配だ…
結果、金城が銅メダル、遙が入賞。(オリンピック全く興味ないから、メダルと入賞って何が違うのか分からんかった。今ググって初めて理解した)
もしアルベルトが出てたら金城はメダル取れなかっただろうから、あんまり嬉しくないだろうなぁ。
そりゃ沢尻エリカみたいに「別に」ってなるわ。
みんなの将来
岩鳶高校3人(渚・怜・江)の進路も決まったらしい。
このシーン、2期1話のセルフオマージュだよね?
江ちゃんは地元の大学に進学、夢のためにお金を貯めたいらしいけど夢って何だろうか。
渚と怜は、進学だろうが就職だろうが、水泳は続けていってほしいなぁ。
真琴の家で、「1年、限界まで泳ぎ込んでみたい」と言う遙。
「しばらく会えない」って夫婦かな?
もはやこの2人夫婦にしか見えんわ。
そういえば大会時、日本で真琴・宗介・日和がそれぞれ俺の旦那(嫁?)頑張れ!とでも言うように見守ってて面白かったな。
郁弥「凛はさ、どうしたいの?」宗介「凛はどうしたいんだ?」
郁弥も宗介も凛に同じこと聞いてくるのいいなぁ。
まずは自分に勝たないとと鼓舞する凛。
遙・凛「今はただ、強くなりたい」少年ジャンプのような友情・努力・勝利を感じられてワクワクした。(真琴の謎の幻想やアルベルト関連など不穏な部分は引っかかっていたけど)
クールダウン時の郁弥と旭、ハイスピの遙と真琴を思い出した。
旭「俺は今の郁弥の泳ぎが一番好きだぜ」
郁弥「僕も旭のそういう前向きなとこ、嫌いじゃないよ」
旭ってド直球に伝えたいことは恥ずかしがらずきちんと伝えるし、友達多くて友達思いで、でもただ百とは違ってツッコミ担当ってところがいいよね。
旭大好き…(なんとなく、アニメ3期も今回のFSも影が薄いような気がするのが残念。他が濃すぎるだけかな…)
「旭にだけだよ」ってデレた郁弥が可愛かった。
忘年会・実家帰省
そうかまだみんな未成年か〜
夏也さん、もう酒は控えた方がいいと思うよ(笑)
コイツいっつも酔っ払って寝てるなぁ。
酔った勢いで弟の恥ずかしい写真誤送信するのはさすがに可哀想だよ!
ってか貴澄だけ水泳関係者じゃないのにちゃっかり参加してるのじわるな…この子は誰とでもフレンドリーに接して一気に仲良くなれるからすごい。
真琴と凛、宗介と遙が喋ってるのいいなぁ。
旭「俺ハタチの誕生日いっちばーん」貴澄「僕二番」可愛い。
郁弥って3月生まれで一番年下だっけ。
みんなで電車で横一列で座ってるのじわじわきた。
足組んでる人と組んでない人、なんか意味あるんかなって思って考察しようと思ったけど、特に意味なさそう(笑)
性格と体格の差かな?(ちなみに遙と旭以外みんな足組んでた)
大学生→ハイスピ組→まこはるって順番に別れてみんな実家に帰っていくのが、時間が逆行してるようでエモかった。
きっと話す内容もそれぞれの関係性によって微妙に違ったんでしょうね。何喋ってたんだろう。
岩鳶駅に着くと岩鳶メンバー達が迎えに来てくれてるとかなんて優しい世界…
チャッピー先輩のくだりめっちゃ笑った。
遙は将来のこと考えるの苦手なんだね…(そこだけは私と全く一緒)
遙、今回も他の人と比べて進路決めるのちょっと遅いよね。
桐嶋兄弟かわいい。数の子とかかまぼこ好きなの?(渋いな…)
松岡兄妹がやってるゲーム機、もしかしてPSPか?古くない?
「Free!」の世界って、古い機種の携帯使ってるなぁと思いきや、TikTokやタブレットが出てきたり、西暦何年設定なの???
日和と金城
冒頭でコイツら、こんな小さい頃から接点あったんだ…って思ってたら
金城が水泳始めたキッカケ日和かよ!!!!
金城、アニメ3期見てた時は声もなかったせいかサイコパスキャラとしか思えなくて怖かったけど、この冒頭のショタ金城のおかげで一気に大好きになってしまった。
「Free!」は気づいたら登場人物みんな大好きになってしまう…
そういえいば金城って下の名前楓(かえで)なのか。
中性的な名前は「Free!」主要キャラの特徴だったけど、郁弥や夏也がそうでもなかったからすっかり忘れてた。
男子で楓って名前の子はあんまり見たことないな。
彼もしっかりと「Free!」のメンバーなんだなぁと思った。
清水寺のシーン、日和が金城を呼び出したの?それともたまたま会っただけ?
清水寺で偶然ってあり得なくないか。
金城も実家京都なの?
そもそも年末という超混みそうな京都の清水寺なのになぜか2人っきり、しかも結構遅い時間なのになぜ2人は入れたのか。
金城の実家って実は清水寺なの?
そういえば映画TYMでもOPで郁弥と日和が清水寺で喋ってたような気がする。
日和にとって清水寺って結構重要なスポットなの?
金城、郁弥に対して「応援してるやつがいるのによぉ」「あいつは恵まれてんだろ」ってセリフが気になる。
まぁ確かにキヨ兄(?)を亡くした金城にとって、応援してくれる兄貴や仲間がいる郁弥は羨ましいくらい恵まれているよね。
七瀬遙の葛藤、そしてハルベルトへ
真琴のスマホ鳴るシーン若干不穏だった。
真琴が何か言いそうだったのにキャンセルされたの、後々何かに響きそうと思ってたら
遙が突然「うぅ!俺の左眼が勝手に!!」と厨二病みたいな動きしだしてびっくりした。
「あれ?違うアニメ見てた?別作品?」って一瞬焦った。
小学校の桜の木の下、原点みたいな場所があるっていいなぁ。
ここに行ったら初心に帰れるもん。
「昨日みたいな気もするし、すげー昔のような気もする」凛に対して、「俺は昔に感じる、あの頃の俺とは違う」と言う遙。
水泳を楽しんでいた昔の気持ちと今が繋がっている凛、昔と今を完全に切り離している遙という対比ですね。
遙「次の世界大会はお前と一緒に…!」
しかし、プロを目指すために、凛も郁弥もフリーは出ない。
凛はバッタに絞って、おそらく郁弥はブレに絞って出場する。
こんな人間らしく弱った遙初めて見た。
アルベルトに乗っ取られ?闇堕ちする遙。(ハルベルトっていう言い方Twitterで見かけてピッタリすぎて笑った)
遙「凛はいいよな バッタにはアルベルトがいなくて」
あのハルがこんなこと言うの!!????
凛「俺が何も迷わずに決めたように見えるのかよ」
また同じことが起きているだと…!?
中学時代のあの遙と凛やん…
踏切演出つらい。
遙は、どんどん前に進んでいく凛に、いつも置いていかれる感覚というものが根底にずっとあったのかな。
大人になって丸くなったなぁ凛。
少し昔の凛なら遙を思いっきりぶん殴ってたと思うよ。
これは遙の涙なのか雨粒なのか、多分どっちもだな…
遙「捨てます、強くなるために、すべて」
あんなに捨てたくないって言ってたのに!!
ここでFor the Teamを映すな!!!(涙)
でも凛は「もう関係ない」とか言いながら
「関係ねーわけねーだろ」と呟いてたから…きっと大丈夫。
凛や他のメンバー達がきっと遙を立ち直らせてくれるはず。
でも…どうしてこうなった!!!??
十で神童、十五で天才、二十歳過ぎればただの人
シドニー大会で負けたあの日の夜、傷の舐め合い(?)をした2人(凛と郁弥)。
郁弥「凛は、今日ハルが勝って嬉しかった?それとも、悔しかった?」
凛「俺とアイツは、そんな単純な関係じゃねぇよ」
郁弥「凛自身はどうしたい?」
凛と郁弥は、負けたからこそ得たものがあった。
郁弥が夏也さんに進路のことを話す時わざとぼかすってことは、次の大会でどういう方向性でいくのか、なんとなく察せられた。
2人はプロになりたいという夢があり、その夢の中には「これからもずーーっと遙達と一緒に泳ぎたい・切磋琢磨し合いたい」という願望があるからこそ、次の大会では種目を絞るという選択をした。
つまり、2人はずっと先の未来が見えている。
2人はずっとずっと未来のことも考えての選択だけど
でも、遙はそれが見えていない。
自分の中で「20歳まであとわずか」という縛りを無意識に呪いのように作り上げてしまい、自分自身によって苦しめられている。
1期の一番最初に言ってた、「十で神童、十五で天才、二十歳過ぎればただの人」。
3期の最初で郁弥も言ってたっけ。
郁弥「僕はただの人になんかならない」
それに対して日和は「郁弥は郁弥だよ」。
今回のFSで遙は、20まであともう少しという年齢だからか、「ハル、あの言葉に縛られすぎじゃね?」と、このことわざを気にするシーンがやたらと多かった。
遙「神童か、ただの人か」
祖母からのこの言葉が遙の中でいつの間にか呪いになってしまって、縛られてるんですよね。
どこか死に急いでるというか、わざと自身を痛めつけて破滅へ向かってるような。
変な焦りがずっとあって全然フリーじゃなくなっている。
あの時スマホでまこはるの会話キャンセルされなかったら、
遙が「真琴は真琴だろ」って言ったように真琴も「ハルはハルだよ」って言ってくれてたら何かが違ったのだろうか。
他に気になったところ
・最初のビデオレター→これいつ撮ったやつ?真琴や凛がまだ高校生時代の服装っぽいから、結構前のやつ?
・凛のミサンガ→今までミサンガなんかしてたっけ?なんか意味あるっけ?
・金城と東コーチの因縁?→東の“事故に遭った親友”は金城の兄貴(?)ということがほぼ確定。キヨ兄ちゃんは実の兄貴なのか近所のお兄ちゃん的存在だったのか。金城と苗字違うから近所の兄ちゃんとかかな?
事故った東コーチの親友、てっきり凛パパかと思ってたけど、もしそうだったら東コーチから凛に「あいつの息子か?」って言うだろうから、親友は普通にキヨ兄ちゃんと考えるのが妥当ですね。
・真琴の幻想→神社で「みんなの思いがハルに届きますように」と健気な願い事言ってたら、突然の謎の幻想。遠くへ行ってしまうショタ遙。花火金魚は何?真琴は遙の闇堕ちの兆候を感じてた?
まとめ感想
今までの「Free!」って誰がどんなに悩んでても、最後は七瀬遙と一緒に泳げば解決!みたいなことが多かったから
今回も七瀬遙の水泳セラピーによって、囚われのアルベルトも救われるのかなって思ってたけど
七瀬遙の方にも問題が発生。
しかも、今回のはオーストラリアに連れて行ってどうこうなるようなもんじゃないレベル。
でも凛は、そんな遙の気持ちをなんとなく分かってくれてるだろうから、きっとまた前に進めるはず!!
今まで、自分は七瀬遙は天才すぎて全然共感はできなかった。
むしろ、こんなやつがクラスにいたら羨ましすぎて嫉妬で狂いそうになってたようなキャラ。(でも大好きなキャラ)
今回、生まれて初めて七瀬遙に深く共感したかもしれない。
あの死に急いでるような感覚は、なんか分かる気がする…
10年後や20年後なんて想像できない、そもそもそこまで生きる予定がない。
常に“最高の今”を手に入れないと、今現在の自身の存在価値・アイデンティティがなくなってしまう。
未来がないことを代償に、今この瞬間を手に入れることで、やっとなんとか生きながらえているという感じ。
ほら、宗介も言ってたやん?(ってか今回宗介が平泳ぎしてるの初めて見たかも)
尚先輩から教わった「力で無理やり解決しない 繋がりを大切にしろ」。合気道の言葉らしい。
強引な方法で強くなっても意味はない、全ては地続き。
いろんなの過程があって、それが全部その先の未来に繋がるということ。(…と自分は勝手に解釈している)
「Free!」って今まで、過去と未来の比較や仲間の繋がりというものを大事にしてきたアニメだったし
「Free!」といえばリレーってイメージが強いけど、映画後編ではリレーを泳ぐのかな。
「Free!」のキャラってみんな、なぜか誰かと一緒に泳がないと病んでいくよね(笑)
みんなと泳ぐ未来のためにも、遙ももっと先の未来のことに目を向けてほしい。
七瀬遙の誕生日は6月30日で、きっと後編は20歳を迎えているだろうから、どうなっちゃうのかが心配。
七瀬遙は水に愛された男で、確かに才能に溢れていて、人から好かれるカリスマ性もある。
でもいろんな経験をして失敗し傷つき「ただの人」になる人生も別に悪くないってことに気づいてほしい。
天才だろうがそうじゃなかろうが「ハルはハルだよ」って周りのみんなは思ってるのに、それがハルだけに届いていないのが、なんか…こう…つらいな。
この予告見る限り、リレー泳ぐっぽいな?
そして久々の「オレはフリーしか泳がない」が聞けて泣きそう。
私が思ってること宗介が全部言ってくれてる…!!
そうだよ少しくらい気づけよ主人公!!!
展開がつらすぎて必死に頭の中整理してたけど、この記事書くのに7時間くらいかかったぜ!(疲れた)
来週あたりに後編を観に行きたいと思います。
みんなの想いがハルに届きますように。
そして金城やアルベルトもどうか救われてほしい。
金城に関してはまだ謎が多いし、そこも解明してから東コーチやアルベルトも含めて、どうか全員が良くなる方向に行きますように!!