【あんスタ】すぐパクリと言うやつはアホ(分島花音さん作曲のValkyrie「Acanthe」とマクロスF「サヨナラノツバサ」)
結構前の話だが、あんスタの楽曲について
ネット上でパクリパクリ言われて作曲者がぶっ叩かれてるのを見てさすがに見ていられなくなってしまったことがあった。
問題になったのがこちらの曲。
Valkyrie「Acanthe」
作詞/作曲: 分島花音
この曲がサビのあたりが、「マクロスF」の「サヨナラノツバサ〜the end of triangle」と似てると話題になった。
作詞 - Gabriela Robin、河森正治 / 作曲・編曲 - 菅野よう子
私は「Acanthe」を初めて聴いた時サビがどこかイマイチ分からなかったせいか、「サヨナラノツバサ」と似てるとは微塵も思わなかった。
でも、何度も繰り返し聴いていくうちに
まぁ…確かに似てるっちゃ似てるわな…ってなった。
※分島花音さんは、時々声優さんやアニソンに楽曲提供もしているシンガーソングライター
音楽ってどこからがパクリなの?
一応、4小節以上似ていたらアウトだと言われているけど
これも法的根拠があるわけではなく、結局はグレーゾーンである。
そう、絵とは違い音楽は目に見えないからこそ、盗作問題においてはグレーゾーンが多い。
4小節以上のメロディが完全に一致だとさすがに文句言われるだろうが
そもそもこの2曲はメロディラインが全っ然違うので、法的には何の問題ないと言えるのである。
そもそも音階って12個しかない
12音しかない中で、なおかつ人が聴いて気持ちいいと思える組み合わせっていうのはさらに限られてくる。
普通に考えて、他のどの曲とも全く似てない曲を作るって不可能なんですよ。
きっと音楽って絵とかよりもずっとずっと限定されてると思う。
目に見えない芸術だから気づきにくいけど。
だから全然知らない人が作った全然知らない曲が、たまたま自分の作った曲と似てしまったとかも普通にあり得ること。
音楽のプロはパクリについてどう考えているのか
↓ゴールデンボンバーの鬼龍院翔さんが作曲においてのパクリについて語ったブログ記事について、そのことが書かれている。
作曲する人だからこその葛藤ですね。
音楽に関して「パクリだ!」と本気で憤慨する人は
音楽を愛しているようで音楽の事をわかっていない
どこかに似た音楽があるのは仕方ない
自分が何処まで元の音楽を意識しているのか、
近づけるのか遠ざけるのか
どこかに似た音楽があるのは仕方ない。
創作の上での完全なるオリジナリディなんて不可能である、と。
↓大森靖子さんとドリカム中村さんとの対談でも、パクリについて語られています。(この対談めっちゃ面白いからぜひ読んでみてください)
大森 はい、あとはメロディも引用したり。アルバムの中にも、ユーミンと松田聖子さんと中島みゆきさんの3曲のメロディを並び替えて作った曲とかあるし。
中村 賢いなあ(笑)。
大森 だってメロディってそんなに音階ないじゃないですか。しょうがないから。
中村 11ステップしかないもんね。
大森 でもどうやったらパクリって言われてどうやったらパクリじゃなくなるのか、その境界線みたいなものも調べればあるんですよ。
大森靖子さんが、ユーミンと松田聖子さんと中島みゆきさんの3曲のメロディを並び替えて作った曲がこれです。
↓「呪いは水色」
どうやら、音楽においてパクリとパクリじゃない境界線があるらしい。
作曲という創作を究極的にとことん突き詰めた人間にしか分からないラインがあるのだろう。
中村 さっきパクリの話があったけど、俺はデビューしたとき、自分が大好きな洋楽をパクリ倒そうと思ってたの。何千曲とある名曲をやり尽くしたかった。
大森 すごくわかります。
中村 吉田美和っていうキャラは誰にもパクれないのよ。だから僕がパクってあの人に歌わせれば誰にもバレないんじゃないかと思ってた。よくバレてるんだけど(笑)。
中村 でもそうなったときがホントの勝負だと思うんだよね。俺、アースのモーリス・ホワイトを大尊敬してて、自分の曲に参加してもらったときにモーリスに告白したのね。「私はあなたの作った音楽をさんざんパクって日本で今売れちゃってます」って。そしたらモーリスが「それでいいんだ」って。
大森 最高ですね!
結論、みんな結構パクっている。
そして、パクリというのは世間が思うほど悪いことでは決してない。
パクった上で近づけるか、遠ざけるか、その中に自分のオリジナルをどこまで入れるかという細かい調整をして、音楽が生まれていくのだ。
確かに気持ちは分かる
確かに、好きなアイドルの曲を聴いてるのに、全然違うアーティストの顔がチラつくと楽しめないし集中できない。
バナナフィッシュ・ガッキー現象ですね(私が勝手に命名した)
私はアニメ「バナナフィッシュ」でエンディングが流れたら、新垣結衣さんの顔がチラついて全然余韻に浸れなかった。
確かに名曲だけど「なんでKing Gnuのこの曲こんな売れてんの?」と、あまりいい気がしなかったのも事実だ。
↓他にも、下の記事でも書いたけどLiSAさんの「炎」のサビだって、maoさんの「繭」のサビなどと違いが全然分からない。
パクリだと批判するのは音楽を愛していない証拠
分島花音さんが過去に盗作したかとか、詳しいことは全然知らない。
作品の感想なのだから、あまりいい気がしないことをネット上に吐き出すことが悪いことだとは全く思わない。
パクリという行為を擁護したいわけでもない。
ただ、単に似てるからという理由で「パクリだ」と作曲者を必要以上に批判し罵りぶっ叩くのは愚の骨頂であり
そんな人は音楽のことをそこまで愛してないんだと思う。
単にその作曲者が気に入らないだけの、ただの厄介なアンチだ。
だって本当に音楽が好きなら、みんなパクってパクられてを繰り返してきたという歴史にとっくの昔から気づいているはずなのだから。