【レビュー・感想】田村ゆかり「Princess♡Limited」-ゆかりんの武器全振りミニアルバム
田村ゆかり「Princess♡Limited」2017/11/15
- 14秒後にKISSして♡
- ガラスの靴にMoonglow
- 砂のオベリスク
- Le paradis
- 囀りのない部屋
- Lost Sequence
- ゆかりはゆかり♡
- Hello Again
田村ゆかりさん2枚目のミニアルバム。Cana aria移籍後に初めてリリースされたCDです。
今まで関わっていた作曲家:太田雅友さんがいないので、ガラリと作風が変わった印象。
ゆかりんの武器を最大限に生かした曲
このミニアルバムのリード曲でもある「14秒後にKISSして♡」は、おとぎ話のようなメルヘンちっくアップナンバー。
冒頭の幼い笑い声が、無邪気すぎてあまりにも完成しすぎている。
しかも「幼さゆえのスキ」を一切見せない完璧さ。
声優さんだから当たり前なんでしょうが、上手すぎる。ホラー映画で流されたらガチでビビるやつ。
この曲はただひたすらキスについて歌っていますが、合いの手が入ったりセリフみたいな歌詞だったりで非常に忙しい。
セリフのような「無理無理いやでもどうしよ?♡」とか頭がおかしくなるくらい可愛いです。
ゆかりんボイスで「ちゅっ」と言わせるとか、作詞作曲をした清竜人天才かよ〜としか思えない。
まさに田村ゆかりがもっている武器を全振りした曲。
しかも歌詞カードを見たら驚愕。すべての語尾に「♡」がついています。
確かにゆかりさんは語尾に「♡」がつくような歌い方ができる類い稀なボーカリストですが、ここまで振り切るとは…!
間違えなくライブで盛り上がる曲。(私はまだ生で聴いたことない)
「ガラスの靴にMoonglow」は、こちらもライブ映えする歌謡テイストなアイドルポップ。
この曲もゆかりんの魅力が全面に出ている。
軽快かつ陽気なサウンドと、ゆかりんの真っ直ぐな歌声、どこか懐かしさを感じるメロ。(特にBメロとか70年代アイドルが歌ってそうな歌謡曲っぽさ)
この曲に関しては、割といつもの王道ゆかりんボーカルって感じです。
萌え萌えソングだけじゃない、こういう王道アイドルポップスも余裕で歌えるんだぞ!というベテラン声優の風格が感じられます。
このアルバムの締めくくりである「Hello Again」も、いつもの田村ゆかり楽曲。明らかにライブを意識したテンション盛り上げギターロックです。
ドキドキしてしまう大人ゆかりん
ここから一転して大人ゆかりんの曲が並びます。
「砂のオベリスク」は歌い出しが「やめて」という強めな歌詞が印象的なエキゾチックナンバー。
「強く振る舞ってるけど実は弱いところもあるってこと知ってほしい…的な女の子」感が、ゆかりんの声とマッチしていて良い。
(全然関係ないけど、オベリスクって聞くと遊戯王思い出す。懐かしすぎ…)
美しい海辺を歩いているような南国を連想させる「Le paradis」。フランス語で「天国」という意味で、「ル・パラディ」と読みます。 プルメリアの花やシュロなど、普段聞き慣れないものが歌詞に登場してきて異色感ある。
バーでお酒が飲みたくなるような「囀りのない部屋」はジャジーで艶っぽい。大人ゆかりんの色気が堪能できます。
切なさを感じさせる鍵盤と控えめな打ち込みが印象的なミディアムポップス「Lost Sequence」は、寂しげな歌声とストリングスがより一層悲壮感を増してて胸が苦しくなる。
クラッときちゃう「ゆかりはゆかり♡」
「ゆかりはゆかり♡」はなんだか哲学的なタイトルですが、こちらも清竜人さん作詞作曲。
この曲も全部のフレーズの語尾に「♡」がついてます。
ゆかりはゆかり、あなたはあなた。当たり前のことだけど、こうして改めて言われるとものすごく真理。
どんな曲よりもゆかりさんのことを感じられて、このアルバムの中で一番好きです。
全体的にふわふわしてて、ゆかりんのとろけるような甘い声のおかげで、こんなの誰もが夢見心地になってしまう。
ずーーーっと可愛いんだけど、特に「Cha Cha」「キャッキャッ」が可愛すぎる!!清竜人天才かよ!!
あとサビの「Fu!」はライブでも楽しかったなぁ…
1番の「何時間でも ねえ ゆかりとずっと一緒だよ?♡」よりも、2番の「不安になっても ねえ ゆかりとずっとずっとだよ?♡」の方がクラッときちゃいます。
ゆかりんに言われたすぎる。
「だよ?♡」の歌い方だけで、キュン死にしそう。
ゆかりんの歌声が好きな人なら絶対に聴くべし。
せめてこの曲だけでも聴いてほしい!!!
田村ゆかりさんの声を少しでもいいと思ったことあるなら、「ゆかりはゆかり♡」だけでも聴いてほしい。
この曲は、いろんな曲を歌ってきたゆかりさんのすべてが詰まっているような気がする。
ゆかりさんはゆかりさんで、あなたはあなた。ゆかりさんはあなたが好きで、あなたもゆかりさんが好き。
田村ゆかりさん(アーティスト)と王国民(ファン)の素敵な関係を、こんなにも“田村ゆかりらしく”表現した曲はないと思うんです。 ガチでオススメ。