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神聖かまってちゃん「夕方のピアノ」-いじめられたらこの曲を聴け


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神聖かまってちゃん「夕方のピアノ」(2010/07/07)

神聖かまってちゃん1枚目のシングル。 

この曲を聴く前、まだ神聖かまってちゃんを知って間もない頃。

Yahoo!知恵袋で「夕方のピアノの佐藤って誰ですか」みたいな質問見かけて、

「へぇ、神聖かまってちゃんの人って佐藤っていう奴にいじめられてたんだ」と初めて知りました。

ベストアルバムに収録されてたから、何気なく聴いたのがこの曲との出会い。

 

音楽界に衝撃を与えたであろう狂気じみたサウンド

とりあえず、「いじめ関連の曲なんだな」と思いながら再生をタップしてみると、

ジブリ映画で流れるような美しいピアノと小さな声で「あ、ごめん」という日常でよくあるリアルな台詞からこの曲は始まる。

もう衝撃ですよ。

だって歌ってないんだもん。歌なのに。

叫んでる。ただひたすらに一心不乱に叫んでる。

 

 

ボイスチェンジャーを使い狂気を表現

ボーカルは男性というのは最初から知ってたので、神聖かまってちゃんを初めて聴く人が必ず最初は思うであろう「歌ってる人は男性なの?女性なの?」という疑問は私にはありませんでした。

きっと、アニメ「キテレツ大百科」ED曲の「はじめてのチュウ」とか、アニメ「日常」OP曲のヒャダインさんみたいに、男性ボーカルを何らかの方法で加工してるんだろうなとはすぐ気づいたけど、それらはほとんどが曲を可愛らしくするためだと思うんです。

はじめてのチュウ(2006ver.)

はじめてのチュウ(2006ver.)

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  • ¥204
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男性ボーカルを高く加工すると、生身の女性ボーカルでは出せないような不思議な声になる。

それが特徴で、聴いていて「可愛いなぁ」と思っていました。

でもこの曲は違う。

ボイスチェンジャーで、叫び声をより一層深く突き刺すために使っている。

死ねよ佐藤おまえのために

死ねよ佐藤きさまのために

おまえはいつでもやってくる

知らない嘘をついて

 

死ね 死ね

 

死ねよ佐藤おまえのために

おまえがおまえでなくなるために

日々の中に行くたびに

お前を殺したい

 

死ね 死ね

 

死ね 死ね 死ね おまえのために

死ね 死ね 死ね だから想像するために

 

ぼくが死んだから想像するたびに

ぼくのそのために

お前は死ぬべきさ やっぱ

 

死ねよ佐藤 死ねよ佐藤 死ねよ佐藤 ぼくのために!

死ねよ佐藤 死ねよ佐藤 死ねよ佐藤 ぼくのために!

死ねー!死ねー!ぼくも死ね!死ね 死ねー!!

死ねよ佐藤 死ねよ佐藤 ぼくのぼくがぼくのためにさ

死ねよ佐藤 死ねよ佐藤 お願いだからぼくのためにさ

この曲を作ったの子さんは、学生時代「佐藤」という人間にいじめられていた。

ツイキャスでもたまに「佐藤」という名前が出てくるけど、相当な目にあったらしい。

いじめられた当事者だからでしょうが、いじめられた人間の気持ちをここまで生々しく表現した曲ってあっただろうか?

優しく励ましてくれたり、寄り添ってくれたりする曲はあるけど、当の本人はそんな生優しいものより、自分の内面を曝け出し一緒に叫んでくれるようなものが欲しいものです。少なくとも私はそう思う。

ずっと「死ねよ佐藤」って言ってるけど、一度だけ「ぼくも死ね!」と言ってるのが、わかりみが深い。

 

 

世界を救う「死ね」

この心臓を抉るような「死ね」でどれだけ多くの人を救ってきたのだろう。

過去にいじめられてた人、現在進行形でいじめられてる人、いじめを傍観するしかなかった人、いじめを止めようと努力したけど無理で自分の非力さに絶望した人、いじめから守りたい人がいたのに守れなかった人、いじめというものが存在するこの世界そのものに絶望した人…

大きな絶望は球体となって膨れ上がっていく。

それにこの音楽を流し込むと、あまりにも脆く歪んだ音をたてて崩壊してゆき、美しく浄化されていく。

完全に消えることは絶対にないけど、崩壊したことによってキラキラと茜色の眩しい空が目の前に広がっていく光景が見えてくる。

そこには美しい旋律のピアノが鳴り響いていて、狂気と共鳴してくれているようだった。

 

↓こちらはデモver.です。

デモの方が音質が悪い分、より生々しく感じます。


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