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【レビュー・感想】水樹奈々「supersonic girl」-キラキラとダサさ、未熟さが可愛らしい


supersonic girl

水樹奈々「supersonic girl」2001/12/05

  1. Love's Wonderland
  2. The place of happiness
  3. supersonic girl
  4. Heaven Knows ~Brave edit~
  5. 想い ~Pedigreed mix~
  6. Look Away ~All together version~
  7. TRANSMIGRATION
  8. LOOKING ON THE MOON
  9. 真冬の観覧車
  10. NANA色のように ~Special album version~
  11. 水中の青空
  12. WINDOW OF HEART

声優界のトップアーティスト・水樹奈々さんの記念すべき1stアルバム。

自分はかなり懐古房なところがあって、特に00年代初期の秋葉原とか行きたくて行きたくて仕方ないレベルだから、このアルバムはあの時代の匂いを感じられるような気がして結構好き。

でもそれ無しで聴くと、「これ本当に00年代初期なの?」と思うくらい音が薄いし安い。

歌い方も彼女の持ち味であるビブラートが全然ない。ってか声若い!

ただでさえ演歌っぽい歌い方なのに、ビブラート入れたらさらに演歌演歌しすぎてJ-POPと合わなさすぎるからなんだろうけども。 

 

 

ダサさ・物足りなさも含めてキラキラしている

開幕曲「Love's Wonderland」は、デビューしたての女の子に相応しい元気いっぱいアイドルポップス。2010年頃?のライブ音源を聴いたとき 「この曲は今の歌い方の方がハマってるな」と思ったせいでこのCD音源は若干物足りない。

「supersonic girl」は、00年代初期にしては古すぎない?とツッコミたくなるサビの女性コーラスがダサい。背景で鳴ってる電子サウンドもダサい。おかげでノリノリのロックなギター音もダサく聴こえる。すべてダサくて最高。

「Heaven Knows ~Brave edit~」はシングルver.と違って若干短くなった?あとサビのパァン!という激しいドラムがどうしても気が散ってしまう。「想い ~Pedigreed mix~」はギター音が大きくなった。

シングルver.とはまた別の味があるボサノバ調曲「Look Away ~All together version~」は、だいぶアレンジが変わりました。シングルver.は打ち込み多めっぽかったけど、アルバムver.は全部生音でパーカッション強め。でも声はシングルver. の方がもっとボソボソ囁いてるようだったのであちらの方が好み。

 

 

イントロが神で、ドラマチックさが水樹奈々と見事にマッチしている 

イントロ聴いただけでブチ上がる「TRANSMIGRATION」は、このアルバム内で最も人気曲。水樹奈々楽曲の神イントロランキングでは間違いなく上位。(と勝手に思っている)カラオケでの歌い出しのタイミングがいまだにわからない。

今と比べて声が若いから印象はだいぶ違うが、水樹奈々にピッタリな王道でドラマチックなアニソン系ロック。

作曲:矢吹俊郎、作詞:奥井雅美の楽曲なので、アニメ「少女革命ウテナ」のOPテーマ「輪舞-revolution」を彷彿とさせます。しかも奥井雅美さん本人がコーラスに参加してるし。

前世で結ばれなかった相手と、輪廻転生=TRANSMIGRATIONして再び出会い恋に落ちるという情熱的でドラマチックな奥井雅美さんの歌詞が最高。

ベストアルバムに収録されてる2007ver.もカッコよくて好きですが、私はこっちのオリジナルver.がの方が好き。

2007ver.は、イントロがオリジナルと全然違うっていうのと、シンプルな音を削ぎ落としたバンドサウンドで声を全面に出してるから、ビブラートが逆にしつこく感じてしまう。別に全然嫌いとかじゃないんだけど、やっぱりこのイントロじゃないと満足できない。

この曲で奈々さんは、矢吹俊郎さんから「喉から血が出るくらい歌え」と相当しごかれたのは有名。何度も何度も歌い続けてたら意識が飛んで、トランス状態で歌ったのが収録されています。

この曲によって奈々さんは、「演歌っぽくなるすべての原因がビブラートというわけじゃないんだ」と気づき、ずっと封印していたビブラート歌唱を解放していきます。

 

 

声がまだ完成していない感じがあるけど…

粉雪が舞い落ちる様を「天使の羽根が遊んでるよう」と表現した歌詞が秀逸なクリスマス向けのバラード「真冬の観覧車」NANA色のように ~Special album version~」「Love's Wonderland」と似たような系統のアイドルポップス。安っぽいけど頑張ってます感があって、チープっぽさが逆に新鮮で好き。歌声かわいい。

ラストは、AメロBメロが悲しげなメロディのマイナー調だけどサビはメジャー調で「きっと光りはある」と希望が見えるバラード「WINDOW OF HEART」

未熟さがあるのに演歌っぽい歌い方というオリジナリティをもつ人ってなかなかいないので、面白いですね。

やっぱりまだまだ若くて声が完成されてない感じがあるけど、歌唱力・表現力はちゃんとある。

 

この曲だけでも聴いてほしい

今の水樹奈々しか知らない人からしたら、歌声が今と全然違って完成されていない、サウンドのレベルが低いなど、いろいろと物足りないことでしょう。(私はこういう安いサウンドのアイドルポップスとかは大好きだけど)

水樹奈々初心者には絶対オススメできないけど、「TRANSMIGRATION」だけは聴いてほしい。90年代アニソン好き人間からしたら、あのゴリゴリの熱さはたまりません!このアルバム内で群を抜いています。