石川智晶「1/2」
読み方は「にぶんのいち」ではなくて「はんぶん」。
アニメ「逮捕しちゃうぞ フルスロットル」のエンディング曲でもあります。
純粋で健やかな友情をテーマ
私の1/2に たとえばポケットに
一つしかない赤い林檎を
ためらいもなく両手に
おいてあげる優しさを持っていたいから
空元気の向こう側で
この曲は二人のどこまでも純粋な友情を歌っていて、
健全友情カプのイメソンにピッタリなんですよね。
幼馴染や仲の良い双子でもアリ。
この曲、二人の関係性が「長年行動をともにしてきた大切な存在」のように描かれていて、非常に尊い。
歌詞がオタク好みで素晴らしい
歌詞の聴きどころはやっぱりサビ。
ふたつの背中が静かに並んだ時
初めてひとりの人間になれるようで
季節はずれのふたつの線香花火
小さな灯が落ちるまでつき合ってよ
Under the moonlight
二人でいることが当たり前で、運命。
二人が並んでいることによって初めて完成される。
背中を合わせているという解釈もアリだと思います。
月の光に照らされて、二人でお互いの強さ・優しさ・切なさを分け合っているような。
なんというか、オタクがめっちゃ好きそうなシチュエーションやなって思う。
このお互い信頼し合ってる感。
そして1番も良いけど、2番も素晴らしいです。
永遠の1/2
笑顔が途切れると 素知らぬふりで歌い始めた
肩越しの存在から空白を埋めるように
そばにいてくれる 取りとめのない話のように
ふたつの横顔 向こう見ずな片割れは
寂しい時ほど はしゃいで見せるけど
心の1/2 涙で濡れたときは
差しだす傘の中 素直に入ってね
Under the moonlight
2番の方は、より優しさと切なさが強調されています。
一人が寂しい気持ちを抱えると、もう一人がそれを当たり前のように そばにいて埋めてくれる。
「いつもは向こう見ずな性格なのに、寂しい時ほどはしゃいで見せる」って
よっぽど相手のことを理解してないと出てこない文章じゃないか??
たとえ一人が涙で濡れても、 もう一人が傘を差し出す。
どんな悲しみも二人で分け合おう、だから素直に差しだす傘に入ってね と
どしゃ降りでも二人で相合い傘の中に入れば、濡れる確率は一緒なのだと。
あまりにも美しい関係性。
ま…眩しすぎる…
まるで洗浄されているよう
イントロは石川智晶得意のコーラスワークですが、
イノセンスパワーが全開。
イントロだけで人間の薄汚い部分を洗い流してくれるような女神的歌声。
なんつーか、魂を優しく洗浄してくれる感覚です。
個人的にこの曲のイメージカラーは純白で、純度MAXな声はすべてを包み込む母性のようなものを感じるんですよね。
そして印象的なのはティンホイッスル。これがコーラスとマッチしててどこか懐かしくて美しい。
アコギの音色も優しく、二人の関係性にあたたかく寄り添っているよう。
あと、この人のコーラスっていつも何言ってるかわかんないのばっかりだけど(梶浦由記さんの梶浦語みたいな。石川智晶さんだったら石川語?)
歌詞にもある「Under the moonlight」と割とハッキリ言ってますね。
もうひとつは「We are better half」?(英語苦手だから分かんないっす…)
実は石川智晶楽曲では珍しい
石川智晶さんの中では、実はここまで友情を強く押し出した曲は珍しくって、
石川智晶さんといえば「アンインストール」や「不完全燃焼」など、思春期の少年の鬱屈とした悩みや、大人のように割り切れないやるせなさとかを表現してる曲が多いので、ここまで純粋で美しい友情っていうテーマはかなりレアです。
アニメタイアップなので、「逮捕しちゃうぞ」のメイン二人組である夏実ちゃんと美幸ちゃんのことを歌ってることに間違いないんでしょうが、いろんなカプにも当てはまりそうだしこういう関係性大好きなのでいくらでも楽しめます。
アニメのエンディング映像は完全に百合
もう百合アニメにしか見えないレベルで距離が近い。
火事の中、二人で建物から脱出するみたいな映像なんだけど、二人の距離の近さとか手だけ映って繋ぐところとかめっちゃエロい。
なんやねん あのねっとりした繋ぎ方…
中学生くらいの時に早朝のキッズステーションかアニマックスかでたまたま見たんですけど、二人の近さとエロさが曲と相まって艶っぽく瑞々しくて衝撃的でしたね。
エロいんだけど、全然下品じゃない健全なエロさ。
中嶋敦子さんのキャラデザがマジで良い。
同性同士を描くのがすごく上手い方ですよね。
夏実ちゃんの口元のカット、美幸ちゃんの目元のカットで、夏実ちゃんの笑い方があまりにも怖くて
一体何があったんwwってなります。
まるで悪役のような表情なのがツボ。