【レビュー・感想】降幡愛「Moonrise」-私が憧れる80年代
降幡愛「Moonrise」2020/09/23
A面
- CITY
- シンデレラタイム
- Yの悲劇
B面
- ラブソングをかけて
- プールサイドカクテル
- OUT OF BLUE
降幡愛さんのデビューミニアルバム。
降幡愛さんの曲でまずビックリしたのが、もろに80'sシティポップだったのもそうだけど、声優さんではあまり聴かないようなタイプの歌声だったこと。
しかも「ラブライブ!サンシャイン!!」のイメージしかなかったから、余計ビックリ。
全曲、本間昭光さん作曲、降幡愛さん作詞。
CITY
80年代の曲に特別詳しいわけじゃないけど、英語がちょくちょく入ってくるところとかバブル風な女性コーラスが、完全に80年代。
これが令和に発表された曲だなんて誰も信じないよ!!
しかもMVもすっごくいい。
この「シティーハンター」EDの「Get Wild」みたいなアニメ映像の夜の街。
実写はアナログテレビのような画質かと思いきや、クリアな画質でMacBookでキーボード打ってたりでレトロと今が交互に出てきて面白い。
そしてサビの絶妙にダサいのになぜかクセになる振り付けが、まさに80年代!!
音楽番組で懐かし映像とか見てると大体みんなダサいんだよなぁ
そこもきっと計算されてこの振り付けなんだと思う。
シンデレラタイム
懐かしいシンセの音がたまらない、落ち着いた大人の女性風のシティポップ。
80〜90年代の鉄道関連のCMで流れてそう。
なんとなく、竹内まりやさんとかユーミンの空気を感じました。(この人達の曲全然聴いたことないのに…なんでだ?)
ちなみに「シンデレラタイム」とは深夜0〜3時くらいの時間帯のこと。
「ふたりを繋ぐ時間は永遠じゃなかった」で締めるのが、男女が別れる際の名残惜しさが出てて好き。
Yの悲劇
もう笑っちゃうくらい、イントロから醸し出される80年代の空気。
サビの「YADA・YADA・YADA・YADA」が、「ヤダ」じゃなくてあえてアルファベット表記なのも“っぽい”し、メロディが頭から離れない。
「公衆電話」なんて、リアルに十年ぶりくらいに聞いたなぁ…
このテンポの曲、どこかで聴いたことあるなぁって思ったらチェッカーズの「ギザギザハートの子守唄」だわ…(笑)
歌詞は、二股してた彼の元カノか浮気相手かが嫌がらせをしてくるという内容。
会社に届いた封筒に
目を走らせる毎日
中身は“嫌がらせのパズル”
嫌がらせのパズルが気になるーー!
脅迫状の切り貼り?
でも逆に「全部真っ白なパズル」みたいな、本当にガチで嫌なパズル送ってきたとしたら…って想像するだけで楽しい。
あと「Yの悲劇」って元ネタありそうなタイトルだなぁって思ったんだけど、薬師丸ひろ子さんの「Woman "Wの悲劇"より」かな?
ラブソングをかけて
大人っぽい曲が続いたけど、今度の曲は精神年齢が急に下がった。
「ひとり部屋の窓際でお星さまに訊ねてみようか」とか、一気に幼くなった印象だし、歌声も跳ねるようにウキウキしてる感じ。
この南国っぽい空気を出している楽器は…マリンバ?
後半の「ラーラーラー」という男女混合コーラスがNHKみんなのうたっぽい。
トロピカルジュースみたいな、可愛らしいアイドルポップス。
プールサイドカクテル
トロピカルジュースの後はプールサイドカクテル!?
このヴェイパーウェイヴ風な始まり方、マジで最高一生聴ける。
バリバリ歌謡曲なAメロBメロと、ずっと繰り返される「Lonly Night swimming…」が癖になるスルメ曲。
Aメロ「水面に映る彼は〜」の部分、どこかで聴いたことあるメロディなんだけど思い出せない。何かしら懐かしの曲をオマージュしてるんだろうなとは思う。
OUT OF BLUE
最後はしっとりバラード。
やはりただのバラードではなく、ウーウー言ってるコーラスやシンセが80年代風。
最後まで一貫してます。
「いつもと同じマフラーの音がすると振り返ってしまうの」という歌詞がグッときて素晴らしい。
全曲こだわりしかない
一番のお気に入りは「Yの悲劇」ですね。
ひとりの彼を巡って争う女性同士のドロドロを描いた曲なのに、サビの「YADA」連呼と 曲調がどこかコミカルなせいで後味がそこまで悪くない。むしろスッキリ(笑)
でも、最近ここ一週間「シンデレラタイム」をふとした時口ずさんでる…
でも他の曲も無性に聴きたくなる時あるし「プールサイドカクテル」もなんか気づいたら脳内に流れているし。
もう全ての曲が“私が憧れる80年代”そのものなんだよなぁ…
全曲、降幡さんのこういう曲が歌いたい!こういう曲が好き!というこだわりがハンパないことが伝わってきました。