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【歌詞考察・解釈】METAMUSE (ZOC) 「tiffany tiffany」-生まれ変わったらアイドルになりたかった神田沙也加さんへ


tiffany tiffany / わがままぱじゃま META盤

METAMUSE (ZOC) 「tiffany tiffany

tiffany tiffany / わがままぱじゃま」 (2022年7月6日発売)に収録。


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大森靖子にとって水色は呪いであり特別だ。

「呪いは水色」という曲だったり、大森靖子feat.峯田和伸の「Re: Re: Love」の歌詞に「あの娘の水着の水色から逃げて」とあったり。

メジャーデビュー曲「きゅるきゅる」も「水色のレイディーなんて最近みないし」とある。


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この「きゅるきゅる」の「水色のレイディー」とは、実は松田聖子さんのことだということはファンなら知っているであろう。

↓この本に書いてあった。

水色を着て似合うアイドルは松田聖子だけ。

水色が似合う女の子はそうそういないのだ。

そんな純度の高い「水色」を歌った曲を彼女は作った。

特別な意味がないわけがない、と思った。

 

 

ZOCに期間限定で加入予定だった神田沙也加


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とある女性…と伏せてはいるけど、もはや誰もが分かり切っていることなのではっきりと言うが、その女性とは去年12月に亡くなられた神田沙也加さん

彼女はティファニーブルーが好きだった。

神田沙也加さんの「family name」のデモ、聴きたかった…


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Bメロ「察して〜」の部分なんか特に。

きっと煌びやかで真っ直ぐで、でもどこか切なげな歌声だったんだろうなぁ…

脳内で想像してでしか再生できないことが本当に悔しい。

どこかで公開してくれないだろうか。

もちろん、METAMUSE (ZOC) に加入しアイドルとして輝いている彼女が歌う「tiffany tiffany」も聴きたかった。


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彼女は「Lily」として雑誌でロリータファッションのモデルとしても活動していたから、「ヒアルロンリーガール」や「わがままぱじゃま」で可愛いロリータを着てるところも見てみたかった。

 

 

歌詞

初めて聴いた時は神田沙也加さんへのレクイエムだとは知らなかったので、同じく歌詞に「ママ」が出てくる「family name」と似た立ち位置(METAMUSEとしての新たな始まり)の曲なんだろうと解釈していた。

この曲の歌詞の女の子は「family name」のように「ママ」のことを「なんで産んだの」と思うくらい憎い対象ではないにしろ、「あんな風になれなかったな」とどこか「ママ」とは距離を置いてるようだと思っていた。

生まれ変わったらアイドルになりたかったな
ママみたいに明るく幸せ振りまけないけど
どうせこの声壊れてしまって
今まで作ってきた私が明日壊れるなら

ママと同じ名前の友達ができたの
何も言わなくてもわかってくれるってわかる
必要ない時も名前を呼んで
新しい人生をつくるには遅すぎたかしら

私が死んだら
泣いてしまう人なんて大嫌い
大嫌い 大嫌い
そりゃそうだよねって笑ってよ

tiffany tiffany
神様は美しい順に奪ってく
tiffany tiffany
悪戯につくっては 壊すの
tiffany tiffany
今すぐに喧嘩しに出かけちゃおうかな
tiffany tiffany
返してよ 神様
胸ぐら掴んでも殴り方わからない
生まれ変わったらアイドルになりたかったな
ならこの人生でやろうって決めた

器用に成功を演じ切ればきっと
その先に愛があればあるほど孤独
叫んでみたかった 何にも気にせずに
仕方ないなんてわかってることばかり

水色ひかる夢
この身体を通過して
大嫌い 大嫌い 大嫌い
脆い感情さえ映えろ

ねぇ

tiffany tiffany
出会えたから少し楽になったはずなのに
tiffany tiffany
柔らかい心を晒した
tiffany tiffany
その隙に 当たり前みたく奪ってく
tiffany tiffany
返してよ 神様許さない

生まれ変わったらアイドルになりたかったな
ならこの人生でやろうって決めてた

しかし、真実を知ると印象が大きく変わった。

「生まれ変わったらアイドルになりたかったな」

このフレーズの本当の意味が心臓にのしかかってきたようだった。

 

 

考察

生まれ変わったらアイドルになりたかったな


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(16:45〜)「私は生まれ変わったらアイドルになりたかったんです」

ママみたいに明るく幸せ振りまけないけど

母親である松田聖子さんのように天真爛漫なアイドルにはなれないけど

どうせこの声壊れてしまって
今まで作ってきた私が明日壊れるなら

沙也加さんは生前喉の不調を抱えていた。

ママと同じ名前の友達ができたの
何も言わなくてもわかってくれるってわかる

聖子と靖子。偶然にも同じ名前。

彼女は、大森靖子さんならきっと分かってくれると思って決意を伝えたのだ。

「アイドルになりたかった」という夢を。

「生まれ変わったらアイドルになりたかったな ならこの人生でやろうって決めた」

が、曲のラストは「ならこの人生でやろうって決めてた」と過去形になっている。

MVのラストはメンバー全員黒い服。(喪服?)

アイドルになりたかった彼女は、今はもうこの世にはいないのだ。

 

 

水色を背負ってステージに立つ彼女が見たかった

私は神田沙也加さんが何に苦しみ、何を生きがいにして、どうしてアイドルにこだわったのかは深くは分からない。

二世タレントだけど、自分は松田聖子さんのこと全然世代じゃないからイマイチ知らないし、一番最初に名前を知ったのがアニメ「貧乏神が!」だったので、未だに声優としてのイメージが強い。

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モデルやアーティスト、ミュージカルとマルチな活動をしてきた彼女だが、きっと「アイドルになりたい」と大森靖子さんに言った時は相当な覚悟だったに違いない。

tiffany tiffany」はアイドルになりたいと言った沙也加さんのことを歌った曲だが、彼女が亡くなったことにより歌詞も変わった。

きっと今よりももっと彼女の強い意志を反映した歌詞だったのであろう。

なんとなく、1番よりも2番の方が彼女の強さや脆い感情が出ている気がする。

水色ひかる夢
この身体を通過して
大嫌い 大嫌い 大嫌い
脆い感情さえ映えろ

「水色にひかる夢」

大森靖子さんは、水色は松田聖子しか似合わない色だと言っていた。

その水色を背負って、自身がもつ脆い感情すら映えさせてアイドルとして輝く彼女はきっと誰よりも“本物のアイドル”だったはずだ。